
マッチングアプリで最も多くの人が利用していると言ってもよいペアーズ(Pairs)、ネットでは「彼女ができた」「彼氏ができた」という記事がたくさんあります。しかし、実際は恋人ができたのは会員のたった4%なんです!
ペアーズの公式サイトによると、2012年から現在までのペアーズの会員数は1000万人以上、そのうち恋人ができたのは40万人らしいです。


40万人も恋人ができていると聞けば、ペアーズで出会った多くのカップルが誕生しているようにも思いますが、確率を計算してみると実はそうではありません。
40万人 ÷ 1000万人 = 0.04(4%)
4%を多いと思うか少ないと思うかは個人の感覚だとは思いますが、ペアーズを利用した人の96%は恋人ができずに退会したということになります。この数字を見ると「ペアーズはやめたほうがいい」とおもってしまいかねません。しかし、実際にペアーズの会員数は増えています。
では、なぜペアーズは「恋人ができる」と評判がよいのでしょうか。
たしかに40万人は恋人作りに成功している
実際に、40万人はペアーズでの恋人作りに成功しています。なので、この人たちが友達の数人に「ペアーズで恋人ができた!」と語ると、とてもたくさんの人に広まることになります。
1人が3人に広めると、単純に120万人に「ペアーズで恋人ができる」と伝わることになりますからね。そして、その120万人がさらに3人に「友達がペアーズで恋人ができたらしくて…」と誰かに話すと、360万人……というかたちで広まっていきます。
また、マッチングアプリで出会った体験談をブログやレビュー記事に書く人もいるので、それを読むひとも多くなります。
しかし、恋人ができなかった960万人は沈黙している
恋人ができたら友達に話しますよね。しかし、マッチングアプリを使ってみたのに、なんなら課金までしたのに、恋人ができなかった——ときには、友達に報告をする人はそれほど多くはないはずですよね。
なので、恋人ができなかった96%は友達に言いませんし、ブログに「マッチングアプリで出会えなかった体験談」を書く人は滅多にいないはずです。
そのように、沈黙しているサイレント・マジョリティが多いために、実際は恋人がそれほどできてはいないのに、恋人ができているように思われてしまうのです。
アフィリエイターの記事がペアーズの評判を広めた
これからマッチングアプリに登録しようとする人は、ペアーズやwithなどのマッチングアプリのレビュー記事をインターネットで読んでから、一番評判のよいマッチングアプリに登録するはずです。
このような記事を書いているのは、アフィリエイターと呼ばれる人たちです。アフィリエイターとは自分のウェブサイトやブログでレビュー記事やサービス比較をした記事を書いて、そこに購入画面に進むリンクを貼って広告を行う(アフィリエイトを行う)ライターのことです。
自分の記事を読んでくれた人がリンクをクリックし、実際にオススメした商品やサービスを購入すると、売り上げの一部を還元してもらえます。このように、サービスのオススメ記事を書くことで生計を立てているのがアフィリエイターです。(※本記事ではアフィリエイトは行っていません!)
素敵な記事を読んだ後に、「今すぐ登録」なんていうボタンがあって、それをクリックしたことがある人は多いのではないでしょうか。
こういうやつです↓
(※このボタンにはリンクは貼っていません)
そのとき、もしあなたがリンク先の商品を購入したり、サービスに登録したりしたら、多くの場合、アフィリエイターに収益が入っています。
アフィリエイターは自分が売ろうとしている商品について、好感が持てないような記事は書きません。イメージを悪く書いてしまったら、リンクを貼った商品が売れないからです。
そして、中には虚偽の内容の記事を書いて商品を売ろうとする悪いアフィリエイターもいます。なので、わたしはネットの記事をもとに何かを購入するときは、アフィリエイターが書いた記事かどうか、毎回チェックしてからリンクをクリックしています。
ペアーズのアフィリエイト報酬は高い
ペアーズのアフィリエイトでは、記事に貼ったリンクによってアフィリエイターが得ることができる報酬はなんと、1人が登録するごとに1702円!

ペアーズは男性は有料ですが、女性は無料で利用できます。そして、利用料金が無料である女性会員が登録した際も1702円の報酬が発生するのです! 検索で上位に表示される記事を書いたアフィリエイターは相当、儲かっていると予想されます。
これだけの高額報酬が発生するのですから、アフィリエイターが他のマッチングアプリよりペアーズを押すのは仕方ないでしょう。アフィリエイター自身が実際にペアーズに登録をしたことがない可能性もありますし、稼ぐためならどんな記事でも書くアフィリエイターもいないわけではありません。
というわけで、高額報酬のアフィリエイトにつられて、たくさんのアフィリエイターが「ペアーズで恋人ができる!」と声高に叫んだために、ペアーズを登録をした人が多いという可能性があります。
マッチングアプリではうまくいかないことが多い理由
というわけで、わたしは個人的には「アプリでは出会えない」と思っています。というか、4%という数字がそれを物語っていると思います。
わたしの周囲にもマッチングアプリを使ったことがある人は多いですが、恋人ができなかった人がほとんどで、付き合えた人も数ヶ月もたたずに、すぐに別れています。
しかし、友達の友達ならば、マッチングアプリで結婚までした人もいますので、一概に「マッチングアプリは出会えない」と決めつけることはできません。実際、マッチングアプリが出会いの場であることに代わりはありません。しかし、だからといって「合コン」や「友達の紹介」より良質な出会いが期待できるものでもないとも思います。
「マッチングアプリで恋人ができなかった」「できたけれどすぐに別れてしまった」という人には共通する理由があるようです。
共通の知り合いがいない
マッチングアプリで出会った人同士は共通の知り合いがいないことがほとんどです。なので、会っていないときにお互いが何をしているかがわからない、なにかあったときに相談できる人がいない、という事態が生じます。
マッチングアプリでの結婚が盛んな欧米では「ホームパーティ」や「ディナーパーティ」が頻繁に行われる文化があり、そのような場には多くが恋人同伴で参加します。しかし、会社の飲み会や大学や高校の友達同士の飲み会に恋人を連れてくるような人は日本にはいませんよね。
なので、恋人の友達を全く知らない期間が長く続くことになるのです。そして、お互いのことを本当に知ることができず、ついには別れてしまうようです。
価値観や生活習慣が合わない
現実での出会いならば、同じコミュニティにいる人や、同じコミュニティの人を介して、恋人と知り合うことになります。なので、同じ大学、同じ会社、と生活している環境が似ています。しかし、マッチングアプリでは全く異なる環境の人と知り合うことになります。
例えば、自分は朝型で会社に出勤する時間も早いのに、恋人が夜型で夜に電話をしたがる——という状況になってしまった場合、仕事に影響が出かねません。同じ会社の人ならば、どちらも出勤時間が早いので交際するにあたってバランスが取りやすいのです。
また、同じ学校を卒業している場合、生い立ちや価値観が似ていることが多いものです。難関大学の出身の人ならば、子供の頃に塾通いをしていたり、しっかりと勉強に精を出していたりしています。勉強をそれなりに面白いと思っていたから頑張れたということもあるでしょう。
しかし「頭がいい人は堅苦しくて苦手」と思っている人がいるのも事実です。勉強は全くしなかったけれど、スポーツを頑張ってきたという人もいます。このように価値観が異なる場合、交際が順調に発展しないことが多いのです。
マッチングアプリでの出会いは「全か無かの法則」である
マッチングアプリにいる人は「恋人探し」を目的にアプリを使っています。なので、彼らが求めるのは友人でもビジネスパートナーでもなくて、恋人オンリー。このような人が多いのです。
しかし、現実の出会いはそうではありません。仕事で出会った人が仲のよい友達になったり、ビジネスパートナーになったり、お互いに有用に活用できる人脈となったり——と人の交際のかたちに無限の可能性があります。そのような人を通して、さらにほかの出会いも生まれていきます。
しかし、マッチングアプリでの出会いは「恋人」か、そうでないか。
恋人になれないと思ったら、友達にはなりません。知人にすらなりません。
このようにマッチングアプリでの出会いは「全か無かの法則」、反応が「起こる」か「起こらない」の二択しかないのです。なので、恋人になれないな、と思ったら、それでもう二度と会うこともありません。
しかし、実際は「友達を好きになってしまった」「今まで好きじゃなかったのに急に意識してしまった」と悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。一目惚れしかしたことがない、という人にはマッチングアプリでの出会いが最適かもしれませんが、全員がそうではありません。
そして、せっかくマッチングアプリがよい出会いの場であっても、この「全か無かの法則」を適用している人が多いため、一目惚れしないような人にとってマッチングアプリは全く恋に発展しないものになってしまうのです。