マグナ・カルタ(Magna Carta)は、1215年にイングランドで作成された文書のことで、王の権力を制限して、法の支配を確立する内容が書かれています。
歴史において、優秀な王様もたくさんいましたが、そうでない王様もたくさんいます。
マグナ・カルタが作成された当時のイングランドのはジョン王という王様が王位に即いていました。ジョン王は、イギリス史において、とても人気のない王様です。
まず、彼はお金の使い方が荒かったんです。戦争などの出費により、たくさんお金を使ったので、重い税金を国民に課しました。もちろん、人々は不満ですね。
さらに、他の国との政策においても失敗しました。特にフランスとの関係を悪化させ、イングランドはフランスに持っていた領土を失うことになりました。これは国の威信に関わる大問題でした。
なので、貴族たちから嫌われてしまい、対立が深まるようになります。貴族たちは「ジョン王に政治をまかせていたら大変なことになる!」と思い、王様ではなく、法に基づいて政治をしたほうがよいのではないかと思いました。
そこで作成されたのが、マグナ・カルタです。
マグナ・カルタは、王様が勝手に税を決めたりできなかったり、貴族がもっと政治的な力を持てるような内容です。人を逮捕したり財産を取り上げるときには、しっかりとした法的な手順を踏まないといけないという内容も盛り込まれています。
ジョン王は貴族からの圧力に負けて、マグナ・カルタに署名しました。ジョン王の治世に、法の権力が王様の権力を上回ったため、マグナ・カルタの承認は、イギリスの歴史において重要なターニングポイントのひとつとされています。
マグナ・カルタは、現在の憲法や法律、自由といった考え方に非常に影響を与えています。民主主義の土台を作ったのがマグナ・カルタであるとも言えます。