病院に行くときに見せる「健康保険証」を見てみると、
自分が死ぬときに臓器移植をするかしないか、書き込むことができるようになっています。
臓器移植に関する、選択肢は以下の3つです。
① 「脳の機能が止まった」場合でも「心臓が止まった」場合でも、臓器移植OK
② 「心臓が止まった」場合だけ、臓器移植OK
③ 臓器を提供しない
上の3つのうち、どれを選択しますか?
医学が発展したといえども、臓器移植によってしか治せない病気や怪我があります。
肝臓など生きている人の臓器から一部を切り取って、病気の人に移植することのできる臓器はありますが、すべてがそうではありません。たとえば、心臓はひとりにひとつしかないので、生きている人から臓器移植することはできません。
そういうときは、亡くなった人の臓器を、病気の人や怪我をした人に移植します。
この「亡くなった人」の状態には、2つがあります。
それが、「脳死」と「心肺停止」の2つ。
「心肺停止」とは、心臓が止まってしまった状態を指します。
これは、死んでしまったと考えるのにわかりやすいですね。
「脳死」は脳の機能が止まった場合です。
脳が命令をすることによって、心臓をはじめとする身体の臓器は動いているので、脳の機能が止まってしまった脳死の場合は、その人は二度と目覚めることはありません[efn_note]https://www.jotnw.or.jp/faq/detail.php?id=99[/efn_note]。
しかし、脳死でも人工呼吸器などの医療で使われる機械を付けていると、心臓は動き続けます。血液が身体を循環しているので、身体は温かく、眠っているように見えます。
しかし、機械を止めてしまうと心臓は停止します。
この脳死の状態は、「生きている」のでしょうか。それとも「死んでいる」のでしょうか。
また、「生きている」とはどういう状態をいうのでしょうか。